要宏輝の正義の労働運動

　「連合大阪訴訟」は、8/31、裁判所の和解勧告を受けて、原告の主張をくんだ形で終結しました。裁判所の関与和解は通常、①訴状プラス②和解条項という形の和解調書になっていますが、今回は「異例な関与」ともいうべきもので、③「和解勧告（裁判所の所見）」なる書面が和解調書に添付されました。和解勧告に記載された裁判所の所見は関係当事者としても拒否できない、まことに当を得たものでした。
和解調書のエッセンスは、「連合大阪の非を認め、原告に解決金を支払う」というものです。裁判所の和解勧告の要約は以下の通りです。
●被告（連合大阪）は労働者の諸権利の確立や、自由にして民主的な労働運動の強化・拡大といった公共的使命を有する団体である。役員や職員は立場を尊重しあい結束して活動することが求められている。／●被告（連合大阪）内部において必要な意思疎通がなされなかった等の結果、本件訴訟が惹起され、…その決着をみていないことは遺憾であるばかりか、労働組合の活動に期待する多くの労働者にとっても好ましからざる事態である。／●紛争を早期に収束させることは関係者のみならず一般国民にとっても重要である。　
　さて、以下は原告要宏輝の「連合大阪訴訟終結にあたってのご報告とお礼」のコメントです。
１．裁判所の「関与和解」の意義について。和解調書に訴状が添付されるので、連合大阪訴訟事件の存在そのものが抹殺されることなく、世に存在し続けることになります。３００円の印紙代を払えば大阪地裁で誰でも閲覧できます。これが裁判所の「無関与和解」つまり当事者間の取引的和解、解決金だけの「闇から闇の」和解とは決定的な違いです。これからも連合大阪が「まとも」になるまで役割発揮をしてくれます。
２．連合大阪もマスコミや裁判所の力を借りなければ、自己改革ができないとは情けない話しです。当事者間の「真の和解」、つまり連合運動の改革にむけての真摯な話合いもなし。執行委員会での訴訟の報告論議もなし、件（くだん）の「連合大阪言論圧殺法」の廃止もなし、パナソニックの偽装請負騒動の調査・報告もなし、不法行為役員の謝罪もなし、・・・連合大阪役員の心の荒廃、法規範意識の無さ「ここに極まれり」です。和解の席上での裁判長の発言「連合は労働運動の『前衛』（ﾏﾏ）の役割を果たさなければならない」が空しい。
３．原告要宏輝の訴え「連合よ、正しく強かれ」「連合が悪しく弱かれでは労働者人民が困る」は、奇しくも和解勧告の所見と軌を一にするものです。訴訟提起から1年半、連合内外に「連合よ、正しく強かれ」を喚起でき、そして全国に新しい仲間がたくさんできました。これが原告の愚直な闘いの成果です。
長い間のご支援に感謝します。時機をみて、詳細な報告をすることをお約束いたします。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　連合大阪訴訟（民事５部＝労働部・大須賀寛之裁判官）の山場である証人調べが終わりました。証人調べの最終期日の7/8は、被告側証人の坂貴之副事務局長（関西電力）と原告要宏輝の主・反対尋問でした。坂の証言は「軽い」、人間そのものが軽すぎる印象でした。「朝日新聞は読まない（実はサンケイしか読んでいない！）」には失笑が。肝心のパナソニックの偽装請負問題については、これだけ大問題になりながら、朝日新聞報道（2006．7.31）後はおろか、要の「偽装請負批判」論文弾圧事件後、そして証言当日まで「（連合大阪はパナソニック偽装請負事件の）調査もしていない」との証言には裁判所は驚いたことでしょう。中世古（パナソニック）の原告に対する抗議は「事情聴取もしないでパナソニックの偽装請負批判論文をを書いたのがケシカラン」だった。事後でも連合大阪は中世古から事情聴取すべきだったのにしていない。不作為・怠慢というよりは彼らは「できない」のだ。なにせ、彼らはパナソニックの「ポチ」だから。こんな軽薄な連中に論文検閲を受けた原告はさぞかし屈辱的だったことを裁判所もよく理解したことでしょう。
　原告要宏輝の主尋問は90分、反対尋問60分。原告は2時間半にわたって、連合大阪の行った言論弾圧、モリタ事件、労働委員会労働者委員再任妨害について証言を展開しました。とりわけ、不当労働行為企業モリタに対して、伊東会長が原告との約束を反故にしてまで謝罪文を出した経緯、それによって連合加盟のモリタ管理職ユニオンが切り崩されたことなど、この「労働疑獄事件」の輪郭が鮮明になりました。連合大阪の汚辱ともいうべき「連合大阪訴訟」は年史にどのように刻まれるのでしょうか。天皇家の「日本史」のように不都合な事件は歴史から抹殺されるのでしょうか。ならばなおさら歴史的判決をとった方が連合改革のためになる。連合大阪訴訟について未だに組織討議していないし、原告の名誉回復をどのようにして図るつもりだろうか。
　さて、今後の展開ですが，まずは裁判所の関与和解が始まります（和解期日8/16）。注目して見守ることにしましょう。

　先に案内していました「日本労働運動の最前線（仮題）」が改題され、刊行も大幅に遅れ、7月１５日の発売となりました。「いのちを守る労働運動－最前線九人の証言」／設楽清嗣・高井晃編著／論創社／定価1800円／ｐ280／。要宏輝の「連合大阪言論圧殺裁判」も所収されています。インタビュー形式で叙述されていますので大変読みやすい。初めて公に為される連合大阪裁判の報告です。ご期待ください。

　6月10日、「連合大阪訴訟」の証人調べがありました。被告側証人のメーンはご案内の、連合大阪前事務局長（日教組出身）の脇本ちよみ。いつも泣いていた印象のある方ですが、さすがに証人席では泣かず、逆に「（原告の）要にセクハラを受けた」などと口走りました。女性事務局長でありながら、セクハラの意味が分かっていません。原告要は和歌山労働局でセクハラの相談も受けていますが、彼女にセクハラにあたる口舌は一切していない。新たな冤罪事件です。悲しいかな、女性事務局長にしてこの程度のレベルです。また、脇本ら証人は偽証を繰り返し、「教師はうそをつかない」の教師像を貶めました。まじめな先生方には迷惑な話です。大阪府労働委員会労働者委員のなかに、偽証罪を「ヘ」とも思っていない人物が脇本、中世古幸治（パナソニック出身）ら3人もいるのです。橋本知事の任命責任は重大です。
　偽証に対して、反対尋問で「偽証罪で脅す」ことは問題外で、「他に人が同席していたでしょう」「自分の子供や生徒の顔を思い浮かべて、恥じない証言を」「もっと、自恃をもって」とやんわりと諭すのが精一杯です。
　中世古も企業の「利害関係人」に徹するならば、社会的労働運動を標榜する連合の役員にならなければよかったのに。そして中世古は「偽装請負をやった会社に抗議をしていない」こと、その理由を「会社のやった偽装請負は違法行為ではないと私どもは理解している」（尋問調書ｐ17）と、驚くべき見解表明を裁判所でやってしまいました。パナソニックはMPDPの偽装請負騒動の後も守口の電池工場で偽装請負をやっていたことが明らかになっています。当該組合は朝日新聞らに対して取材拒否しました。
　「連合大阪言論弾圧法」を作った張本人の彼らの不法行為は「故意犯」「計画犯」にあたることは否定できません。「過失犯」ならともかく、口先の偽証で逃げおせるものではない。
　脇本は、原告要の親戚の門川大阪教組元委員長の愛弟子。門川先生から「よろしく頼む、ちゃんと育てて」と言われ、原告も彼女に目をかけ、社会党の土井委員長のように「だめなものはだめ」と運動を仕切ってくれるものと期待していた。しかし、府職や大阪市職の合理化や組合弾圧の場面では同じ公務員出身でありながら、「クソの役にも立たなかった」（府労連役員の嘆き）。連合大阪は橋本知事や大阪市長に抗議行動一つ取り組みませんでした。
　これも裁判外の出来事ですが、連合大阪の「消えた裏金1000万円」「iセクハラ事件」について、脇本らは「もみ消し」に走り、いまだに調査委員会の立ち上げも報告もありません。連合大阪の不法・違法行為は見識ある役員によってさらに明らかにされるでしょう。また裁判報告は克明に報告します。

　3月26日、大阪地裁第五民事部に「要陳述書」(12ページ、1万5336字)を提出しました。＜裁判について＞のページに全文搭載します。以下はその「前文」です。なお、訴訟提起から1年半、やっと待望の証人調べの期日が決定されました。証人は5名、以下の通りで証人調べは2回で結審します。
●6/10（木）am10～pm16　①脇本ちよみ事務局長（敵性証人）②中世古幸治電機連合議長（敵性証人）③大和田幸治港合同事務局長（原告側証人）
●7/8（木）am10:30～pm16　①坂貴之副事務局長（敵性証人）②原告要宏輝（pm13:30～16）
なお、裁判所が行った「争点整理」は以下の通りです。
１．被告連合大阪は原告要宏輝の人格権等を保護すべき義務を負っているか。
２．脇本事務局長の電機連合への謝罪行為、連合大阪の「申し合わせ事項」（注：連合大阪言論弾圧法）の作成がその義務違反に該当するか。
３．モリタに対する伊東会長の謝罪行為がその義務違反に該当するか。
４．出版妨害事実の有無、労働者委員の再任妨害事実の有無とその違法性。
５．原告の蒙った損害。

　私は、1999年10月から2009年1月まで日本労働組合総連合会大阪府連合会（「連合大阪」と略す）の専従役職員として労働運動に携わってきました。2004年11月からは現役役員を退き、嘱託職員として大阪府労働委員会労働者委員（～2008年2月）、なんでも相談センター相談員（～2009年1月）の仕事をしてきました。本件訴訟に関わる、私に対する不法行為は、すべて定年後の嘱託雇用の5年間に為されたものです。
○「要記事」への、㈱モリタの抗議―伊東会長謝罪文事件（2005年）
○「要論文」への、電機連合の抗議―脇本事務局長謝罪文事件（2006年）
○要著書「正義の労働運動ふたたび」への、連合大阪出版妨害事件（2007年）
○大阪府労働委員会労働者委員の「再任妨害」事件（2007～2008年）
以上の事件のなかで、私は後輩役員から不当弾圧、仕事の妨害、人権・人格権侵害等を受けました。また私は、「連合行動指針」（甲２号証）を忠実に実践しながら、不当にも非違行為者のごとく扱われてきました。
内部で異議申立て（甲10号証「連合大阪よ、正しく強かれ」、甲12号証「異議申し立てと要請」、甲24号証「申入書」など）の声もあげられず、声をあげても黙殺され、握りつぶされてきました。権限も組織もない嘱託の私は、訴訟上でいう攻撃・防御もできず、情けない話ですが、「やられっぱなし」でした。
私に残された方途は、本件訴訟しかなかったのです。本件訴訟は、雇用主の私に対する不当・違法な行為の責任を問うものですが、上司かつ雇用主である伊東会長らの、労働運動上、やってはならないことをやった「作為の罪」、やるべきことをやらなかった「不作為の罪」を強く問いたいのです。会長職は機関でもあり、連合大阪の組織としての責任を同時に問いたいのです。彼らの不法行為の「やり得」を許し、連合大阪が「悪しく弱かれ」のままでは、労働者が救われないからです。
私は不法行為企業、不法行為組合、そして連合大阪の役員らによって晩節を汚されましたが、自ら晩節を汚す偽証はいたしません。私の体験、見聞したことを忠実に陳述いたします。